住宅ローンの金利、変動型と固定型の選択について

住宅ローンの不安と金利タイプの選択

不動産情報大手「LIFULL(ライフル)」の調査によると、住宅購入を検討している人の93%が「ローン完済に不安」を感じており、変動型ローンの利用が減少し、固定型へのシフトが進んでいることが明らかになりました(2025年7月27日、読売新聞)。この背景には、将来の金利上昇リスクへの懸念が強まっていることが挙げられます。以下では、変動型と固定型住宅ローンの特徴、メリット、デメリットを詳しく解説し、どちらを選ぶべきかのポイントを紹介します。

変動型住宅ローンの特徴

変動型住宅ローンは、市場の金利変動に応じて返済額が変化するローンです。短期プライムレートや日本銀行の政策金利に連動し、通常半年ごとに見直されます。返済額は5年ごとに見直されることが多く、急激な負担増を防ぐ「125%ルール」(返済額が1.25倍を超えない)が適用される場合があります。

  • メリット
    • 初期金利の低さ: 固定型に比べ初期金利が低く、返済開始時の負担が軽い。
    • 金利低下の恩恵: 市場金利が下がると返済額が減少し、コストを抑えられる。
    • 柔軟性: 繰り上げ返済を計画している人や、短中期での返済を目指す人に適している。
  • デメリット
    • 金利上昇リスク: 金利が上昇すると返済額が増え、家計に影響を及ぼす。
    • 計画の不確実性: 将来の金利動向が予測しづらく、長期計画が立てにくい。
    • 心理的負担: 変動による不安定感がストレスとなる場合がある。

固定型住宅ローンの特徴

固定型住宅ローンは、借入時または一定期間の金利が固定されるローンです。全期間固定型(例:フラット35)や、10年・20年など特定期間の金利を固定する固定期間選択型があります。市場金利の変動に影響されず、返済額が一定です。

  • メリット
    • 返済額の安定: 金利固定により毎月の返済額が一定で、家計管理が容易。
    • 金利上昇リスク回避: 市場金利が上昇しても返済額が変わらず、将来の不安が少ない。
    • 長期計画に最適: 子育てや老後資金など、長期的なライフプランを重視する人に適している。
  • デメリット
    • 金利の高さ: 変動型に比べ初期金利が高く、初期の返済負担が大きい。
    • 金利低下の恩恵なし: 市場金利が下がっても返済額は変わらず、節約の機会を逃す。
    • 繰り上げ返済の効果: 早期返済を計画する場合、変動型の方が有利な場合がある。

変動型から固定型へのシフトの背景

調査が示すように、住宅購入検討者の多くが変動型ローンの金利上昇リスクに不安を感じ、固定型への移行を検討しています。金融引き締めやインフレ圧力により、将来的な金利上昇が予想される中、安定した返済額を求めるニーズが高まっています。特に、子育て世代やリスクを避けたい慎重な購入者が、固定型を選択する傾向が顕著です。

どちらを選ぶべきか?

変動型と固定型の選択は、ライフスタイルやリスク許容度によって異なります。以下のポイントを参考にしてください。

  • 変動型が向いている人: 金利動向に柔軟に対応できる人、繰り上げ返済を早期に計画している人、初期負担を抑えたい人。
  • 固定型が向いている人: 長期的な家計計画を重視する人、金利上昇リスクを避けたい人、安定感を求める人。

住宅ローンを選ぶ際は、現在の金利だけでなく、将来の収入や支出、ライフイベントを総合的に考慮することが重要です。金融機関やファイナンシャルプランナーとの相談を通じて、自分に最適なローンを選びましょう。