横山裕が「24時間テレビ」チャリティーランナーに決定
2025年8月30日から31日に放送される日本テレビ系「24時間テレビ48-愛は地球を救う-」のチャリティーランナーに、人気グループ「SUPER EIGHT」の横山裕(44)が選ばれました。この発表は、2025年7月31日放送の「ヒルナンデス!」内で横山自身が「俺です」と名乗り出て明らかにされました。横山は、自身の幼少期の貧困な境遇を振り返り、「経済的に不安の中で生きていた子どもたちの存在を、僕が走ることで知ってもらうだけでも意味がある」とコメント。今回のマラソンでは「マラソン子ども支援募金」が新設され、寄付金は全額、支援を必要とする子どもたちのために使われます。
横山裕のランナー選出の背景と意気込み
横山は3歳で両親が離婚し、シングルマザーの家庭で育ちました。中学卒業後は建設会社で働きながらタレント活動を始め、29歳の時に母を亡くした後は異父弟2人の面倒を見るなど、苦労を重ねてきた過去を持っています。彼のこのような経験が、子ども支援をテーマにした今回のチャリティーマラソンに深く共鳴し、ランナー選出の大きな理由となったと考えられます。横山は「僕ひとりの力で社会を変えられるなんて思っていません。でも、走ることで少しでも子どもたちの力になれたら」と意気込みを語り、視聴者の心に響く走りを目指すとしています。
「24時間テレビ」チャリティーマラソンの歴史と意義
「24時間テレビ」のチャリティーマラソンは、1992年に間寛平が初のランナーとして挑戦して以来、番組の目玉企画として定着しています。毎年、著名人が長距離を走り、視聴者との一体感を生み出し、多額の募金を集めることで知られています。例えば、2024年にはお笑い芸人のやす子が走り、児童養護施設支援のために5億493万6310円もの募金を集めました。この企画は、チャリティー精神を広く伝え、支援を必要とする人々への寄付を集める重要な役割を果たしてきました。
「24時間テレビ」に対する否定的な意見
一方で、「24時間テレビ」やそのチャリティーマラソンには、ネットやSNSを中心に否定的な意見も多く見られます。特に近年、猛暑が続く8月の開催時期や、番組の形式に対する批判が目立っています。以下に、代表的な否定的な意見を紹介します。
猛暑でのマラソン企画への懸念
近年、夏の猛暑が深刻化する中、チャリティーマラソンの安全性に対する懸念が高まっています。気温が40度近くに達する日もあり、屋外での長距離走は熱中症のリスクを伴います。SNSでは「立っているだけで暑いのに走るなんて命に関わる」「熱中症で倒れたらどうするのか」といった声が上がり、企画の危険性を指摘する意見が広がっています。特に、2024年のマラソンでは台風直撃の中での実施が批判を呼び、こうした天候リスクが改めて問題視されました。
感動の押し付けと番組の意図への疑問
「24時間テレビ」は感動をテーマにした演出が特徴ですが、一部では「感動の押し売り」との批判があります。マラソン企画が視聴率稼ぎのためのパフォーマンスと見なされることもあり、「なぜチャリティーのために走る必要があるのか」「知名度のある人がSNSで発信するだけでも十分な影響力があるのでは」といった声がSNSで散見されます。また、番組がチャリティーを名目に商業的な要素を含むとの指摘もあり、純粋な慈善活動としての信頼性に疑問を投げかける意見も存在します。
高額ギャラの噂とチャリティーの透明性
過去の報道では、チャリティーランナーや出演者に高額なギャラが支払われているとの情報が流れ、物議を醸しました。例えば、2014年の週刊誌報道では、ランナーに1000万円、総合司会に500万円の報酬が支払われているとされ、「チャリティー番組なのに高額ギャラは矛盾している」との批判が上がりました。海外のチャリティー番組では出演者がノーギャラで参加することが一般的であるため、この点が日本の視聴者に違和感を与えています。
時代に合わない企画形式への批判
SNSやクラウドファンディングなど、現代には多様なチャリティーの方法が存在する中、「24時間テレビ」のマラソン企画が時代遅れとの声もあります。「駅伝形式やオンラインマラソン、または別の季節に開催するなど新しい形を模索すべき」「猛暑でのマラソンにこだわる必要はない」といった意見が上がり、企画のアップデートを求める声が強まっています。視聴者の中には、チャリティー精神は支持しつつも、リスクの高いマラソン企画に代わる新たな形式を望む声も多く見られます。
寄付金着服事件とその影響
2023年11月、日本テレビ系列の日本海テレビジョン放送の元経営戦略局長が、「24時間テレビ」の寄付金264万6020円を含む計1118万2575円を2014年から2023年にかけて着服していた事件が発覚しました。被告は経理を統括する立場を悪用し、募金終了後に社内で保管されていた現金を自分の口座に入れる手口で犯行に及び、飲み歩きやスロットなどの浪費に使用しました。事件は税務調査を恐れた被告の自己申告により発覚し、2023年11月に懲戒解雇、2024年7月に業務上横領の疑いで書類送検され、2025年7月に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡されました。
着服事件が番組に与えた影響
この事件は、1978年から続く「24時間テレビ」の信頼性を大きく揺るがすものでした。視聴者からは「寄付を私的に使うなんてありえない」「チャリティーの趣旨を踏みにじった」との批判が殺到し、番組存続を疑問視する声がSNSで多数上がりました。2024年の放送では、番組開始30分で着服問題への言及がなく、視聴者から「謝罪から始めるべき」との不満が噴出。日本テレビはキャッシュレス募金の導入や外部専門業者への管理委託などの再発防止策を発表しましたが、十分な説明不足との批判も根強く、信頼回復が課題となっています。
横山裕の挑戦と今後の展望
横山裕のチャリティーランナー就任は、彼の個人的な経験と子ども支援というテーマが結びつき、多くの視聴者に感動を与える可能性を秘めています。しかし、猛暑や番組形式への批判、さらには着服事件による信頼の失墜を背景に、横山の健康と安全を気遣う声もファンから上がっています。特に、横山は9月までソロライブツアーを控えており、ハードスケジュールの中でのマラソン挑戦に不安の声も。番組側には、夜間や日陰の多いコース設定など、ランナーの安全を最優先にした配慮が求められます。また、視聴者の信頼を取り戻すためには、募金の透明性向上や、時代に合ったチャリティー形式の模索が今後の課題となるでしょう。