2026年度当初予算案:過去最大122兆円超、一般会計歳入・歳出の内訳を解説

2026年度当初予算案の国会提出

日本政府は2026年2月20日、2026年度の当初予算案を国会に提出しました。この予算案は一般会計総額が122兆3092億円に達し、2025年度当初予算比で7兆1114億円の増加となり、2年連続で過去最大規模を更新しています。提出の背景には、衆院選の影響による国会日程の遅れがあり、例年より約1カ月遅いタイミングでの国会提出となりました。

予算案の主な特徴

この予算案では、物価高や金利上昇、社会保障費の自然増を反映した内容となっています。歳出の拡大は主にこれらの要因によるもので、政策経費を税収などで賄う基礎的財政収支(プライマリーバランス)は28年ぶりの黒字化を見込んでいます。高市早苗首相は、予算案の2025年度内成立を目指す方針を示しており、野党への協力を呼びかけています。

歳入の内訳(総額122兆3092億円)

  • 税収:83兆7350億円(前年度比+5兆9160億円、7.6%増、7年連続過去最高更新)
    内訳:
    ・所得税:25兆3250億円(前年度比11.7%増)
    ・法人税:20兆6960億円(前年度比7.5%増、過去最高見込み)
    ・消費税:26兆6880億円(前年度比7.1%増、過去最高見込み)
    ・その他税収(相続税・酒税など):残り部分
  • 税外収入(手数料、国有財産売却益、雑収入など):9兆902億円(前年度比+2585億円程度)
  • 公債金(新規国債発行額):29兆5840億円(前年度比+9369億円、5年ぶり増加だが2年連続30兆円割れ)
    内訳:
    ・建設国債:6兆7160億円(公共事業などの特定財源)
    ・赤字国債(特例公債):22兆8680億円(歳入不足補填)
    公債依存度:24.2%(前年度24.9%から低下)

税収の大幅増は、物価高による名目経済成長、企業業績の好調(賃上げ含む)、基幹3税(所得税・法人税・消費税)の全てが増加したことが背景です。一方で、年収の壁引き上げやガソリン暫定税率廃止による減収分は織り込み済みで、全体として税収上振れがそれを上回っています。

歳出の内訳と主要項目

予算案の歳出総額は122兆3092億円で、以下のような主要項目が含まれています。これらの数字は過去最大を記録するものが多く、金利上昇の影響が顕著です。一般歳出(政策経費)は70兆1557億円(前年度比+2兆0485億円)で、社会保障関係費が最大の割合を占めています。

社会保障関係費

診療報酬のプラス改定(本体部分3.09%増、30年ぶり高水準)などを含む社会保障関係費は39兆559億円(前年度比+7621億円)に上り、過去最大となっています。この項目は高齢化社会の進行(自然増約6300億円程度)と物価・賃金対応(経済・物価反映分約2900億円程度)を背景に、予算案の大きな割合(約31.9%)を占めています。制度改革(薬価改定、高額療養費見直しなど)で一部圧縮していますが、全体として増加傾向です。

防衛費

米軍再編関係費などを含む防衛関係費は9兆353億円(前年度比+3345億円程度)で、こちらも過去最大規模です。防衛力整備計画の4年目として、無人アセット構築や自衛官処遇改善(給付金引上げ、手当拡充)などが反映され、安全保障環境の変化に対応するための支出増となっています。防衛力強化対象経費は8兆8093億円です。

国債費

国債の利払いや償還に充てる国債費は31兆2758億円(前年度比+3兆0579億円)となり、初めて30兆円を突破しました。内訳は利払費13兆0672億円(前年度比+2.5兆円程度、金利上昇で積算金利3.0%想定)、債務償還費18兆2086億円です。金利上昇の影響が直接的に表れた項目で、歳出全体の約25.6%を占めています。

地方交付税交付金等

地方交付税交付金等は20兆8778億円(前年度比+2兆0050億円)で、税収増に連動して増加しています。一般財源総額確保に加え、物価反映分や地域未来基金(0.4兆円創設)などが措置され、地方財政の健全化(臨時財政対策債発行ゼロ継続など)も図られています。

公共事業関係費

公共事業関係費は6兆1078億円(前年度比+220億円)で、13年連続約6兆円を維持しています。労務費・資材価格上昇を踏まえつつ、ICT活用による効率化を考慮。国土強靱化関連(重要管路更新・複線化など個別補助創設)や上下水道分野の強化が目立ちます。

文教及び科学振興費

文教及び科学振興費は6兆406億円(前年度比+3846億円)で、教育無償化(高校就学支援金拡充・私立上限45.7万円、学校給食無償化支援など、国費約0.37兆円増)や教職員給与改善(人事院勧告反映)、国立大学運営費交付金増額(+188億円)、科研費増額(+101億円)が主な要因です。基礎研究充実やAI・量子・バイオ分野推進も含まれています。

その他の主要項目

・一般予備費:1兆円(前年度比+2605億円)
・中小企業対策費:約1700億円(前年度比微増、価格転嫁・賃上げ支援)
・その他事項経費:約9兆9670億円(復旧・復興、防災、外交、GX・半導体関連など含む)

国会審議の見通し

国会提出後、審議が開始され、片山財務大臣による財政演説が行われました。高市首相は3月末までの成立を目指していますが、日程の制約から審議時間の短縮が検討されています。年度内成立が難しい場合、暫定予算の編成により国民生活への影響を最小限に抑える方針です。一部の野党からは審議の形骸化を懸念する声が上がっており、審議の行方が注目されます。

関連法案の提出

予算案とともに、赤字国債の発行を認める特例公債法案や2026年度税制改正関連法案も国会に提出されました。これらは予算案の成立に連動する重要な要素です。