「冬ボーナス平均95.7万円」過去最高更新の裏側。実際に貰えるのは全労働者の何%?

主要企業の冬ボーナス、2年連続で過去最高を更新
主要企業ボーナス95万円、実際に対象となる人の割合は?

主要企業の冬ボーナス、2年連続で過去最高を更新

厚生労働省は2026年1月9日、民間主要企業の2025年末ボーナス平均妥結額が95万7184円となったと発表しました。この額は前年比で7.37%増加し、集計を開始した1970年以来の過去最高額を2年連続で更新した形です。平均年齢は39.7歳で、担当者は賃上げの進行を主な要因として挙げています。

対象企業の概要

今回の集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1000人以上の労働組合がある企業で、妥結額を把握できた330社です。これらの企業は日本経済の主要な部分を占めており、ボーナスの動向が全体の賃金トレンドを示す指標となっています。

業種別の状況

21業種のうち17業種で前年を上回りました。平均妥結額が最も高かったのは造船業の118万5378円で、前年比24.11%増です。次いで建設業が108万8584円(前年比12.27%増)、自動車業が107万9334円(前年比3.90%増)となっています。これらの業種では、業績回復や人手不足対策がボーナス増額に寄与したとみられます。

歴史的文脈と意義

1970年の集計開始以来、今回の95万7184円は最高額で、2024年の前回最高額をさらに上回る結果となりました。この連続更新は、企業業績の好調さと労働市場のタイトさを反映しており、厚生労働省のデータとして経済政策の参考資料としても活用されます。

主要企業ボーナス95万円、実際に対象となる人の割合は?

厚生労働省が発表した「95万7184円」という数字は、あくまで特定の条件を満たした主要企業のデータです。日本の労働者全体の中で、どのくらいの人がこの規模の恩恵を受けているのか、データから読み解きます。

1. 「従業員1,000人以上の規模」で働く人は約21.5%

労働統計によると、従業員1,000人以上の規模の企業に所属する労働者は約1,470万人存在します。これは日本の総雇用者数(約6,851万人)の約21.5%に相当します。

一見すると「5人に1人は大企業で高額ボーナスを貰っている」ように見えますが、今回の「95万円」という数字に該当するかどうかには、さらに高いハードルがあります。

2. 「資本金10億円以上」かつ「労働組合あり」の壁

今回の調査対象である330社には、以下のような厳しい絞り込み条件があります。

  • 資本金10億円以上:過去のデータでは、この条件を満たす企業で働く人は全従業員の約24.4%ですが、ここからさらに「従業員1,000人以上」で絞り込まれます。
  • 労働組合があること:これが最大のポイントです。今回の95万円という数字は、労働組合が会社側と交渉して勝ち取った「妥結額」です。

1,000人以上の大企業であっても、労働組合がなかったり、あってもこの330社の水準まで届かない企業は無数に存在します。

3. 結論:実際に95万円クラスを手にするのは全労働者の数%

「従業員1,000人以上(21.5%)」という枠の中から、さらに「資本金10億円以上」「有力な労働組合による妥結」という条件を重ねていくと、今回の統計の対象となる330社の従業員数は、全労働者の約3〜5%程度にまで絞られると考えられます。

この統計をどう解釈すべきか

主要企業のデータは、あくまで「日本で最も給与水準が高い層」の動向を示すものです。この数字を「自分との比較」に使って一喜一憂する必要はありません。

「2割」はあくまで大企業予備軍の数字

「21.5%」という数字は、あくまで「比較的大きな組織で働いている人」の割合です。その中で今回の95万円という最高水準に到達できるのは、さらにその中のトップ層だけである、というのが実情です。

中小企業への波及に注目

このニュースの本当の価値は、主要企業が「過去最高」を更新したことで、「世の中全体が賃上げ・ボーナス増額の流れにある」という空気感を作ることです。主要企業の妥結額は、数ヶ月遅れて中小企業のボーナスや、次回の春闘の交渉材料として活用されていきます。まずはトップランナーが数字を押し上げた、とポジティブに捉えるのが良いでしょう。